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行政が「携帯電話を持たせるな」はおかしい

 子どもの携帯電話購入・所持の禁止を盛り込んだ「いしかわ子ども総合条例」に対しては、「そもそもパブリックコメントをとっていないし、罰則規定がないので有効性がない。問題が水面下に潜るだけであり、携帯電話を持っていないことが前提では、教育者や保護者に『教育しなくていい』という安堵感が広がることが問題」と田中氏は指摘する。

 この条例は小学生と中学生が対象だ。しかし、小学生の家庭の2~3割は固定電話がなく、携帯電話しかない。また、中学生は部活や塾帰りなどの連絡に携帯電話を利用している。その一方、携帯電話がきっかけとなった性被害の事例がより多い高校生には購入・所持を禁止していない。「9割以上が持っているから禁止できない」というのが理由だが、今すぐ禁止すれば3年後には所持率ゼロも可能のはずだ。田中氏は、「禁止できない本当の理由は、最近の携帯電話は長期契約が基本となっており、途中で解約すると違約金を払わなければならないが、自治体が補填する余裕がなかったからではないか」と指摘する。

 一方、石川県野々市町では、小・中学生に携帯電話を持たせない市民運動「プロジェクトK」が 2003年から進められた。町の条例で禁止したところ、中学生の携帯電話所持率は全国平均の4割を大きく下回る1割強まで下がり、不良行為も減ったという。「これは成功事例」と田中氏は認める。

 結果的に子どもが携帯電話を持たなくなることには賛成するが、「いしかわ子ども総合条例改正案」では、行政で強制的に決定した点がいけないと考えているのだ。持たせる・持たせないという決定は家庭の判断ですべきであり、行政側がすべきではない。もちろん、野々市町のように住民運動で決まるならありだろう。「県は上から押し付けるのではなく、側面支援をすべき。上から押し付けるのは民主主義ではない」。

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